ワークフローのクラウドシステム「コラボフロー」の開発・提供を主軸に事業を展開するコラボスタイル。「ワークスタイルの未来を切り拓く」を理念に、脱ハンコ・ペーパーレス化の推進だけではなく、ワークスタイルに合ったオフィスのあり方を自社で体現。2020年7月に東京から名古屋へと本社を移転させ、現在名古屋に2ヶ所、東京に1ヶ所、新潟に1ヶ所の拠点を設置しています。2022年11月には、その会社の働き方に合ったオフィスづくりを提案し、設計を行う「ワークスタイル事業部」を新設しました。理想的なオフィス作りについて、ワークスタイル事業部プロジェクトマネージャーの酒井拓哉さんに話をうかがいました。
社員が愛着を持てるオフィス作り
名古屋に本社を移す際、私たちがもっともこだわったことは、社員の参加を大切にしてオフィス作りを進めたことです。オフィス作りをする際には、必ず事前にワークショップを開催するようにしていますが、名古屋本社でも社員みんなで本棚を組み立てたり、ワックスを塗ったりといった作業を行い、新潟オフィスでは壁面の仕上げを行いました。
そうすることによって、「与えられたオフィス」ではなく、「自分たちのオフィス」だと感じられるようになるんです。やっぱり「ここは自分が手を動かして作ったから愛おしい」という感覚はとても大切だと思います。オフィスを長く使い続けることではなく、愛着を持ってメンテナンスしてもらえることを大切にしています。
名古屋本社では、リフレッシュスペースとして、雑談をしたり、休憩ができたりする段差スペースを設けました。私も煮詰まった時にコーヒーを持って5分ほど座って休憩したりしているのですが、それだけでもスッキリ感を得られて仕事が捗るようになります。また、イベント時には1段上がるだけで登壇スペースとしても活用できるので、とても重宝しています。
ソファを設置しているスペースでは、大人数での会議も、1人での作業もできるように工夫しました。カウンターもこだわったポイントです。座っていても立っていても作業ができる高さにすることで、コミュニケーションの中心エリアとして気軽に立ち寄れるスペースになることを意識しました。普段は代表が皆にコーヒーを入れていることも多いですね(笑)
フォンブース(オフィス内に設置する個室スペース)も設置しましたが、これは今のオフィスに必須の設備ですよね。フォンブースはさまざまなベンチャー企業が提供してくれているおかげで、以前と比べて半額程度で購入できる製品が多くなってきました。
また、コミュニティエリアとオフィスエリアをつなげる設計にするために、あえて壁を作りませんでした。そうすると、どうしても音の問題が発生するため、風や雑踏の音を出すサウンドマスキングを導入しました。サウンドマスキングは、声と同じ周波数の音を出す仕組みです。



企業によって適した「働き方」や「働く場所」は同一ではない
2022年に立ち上げたワークスタイル事業部は、コラボスタイルの理念である「ワークスタイルの未来を切り拓く」ことを目的にしています。具体的には、企業それぞれの働き方に合った場所選び・オフィスデザイン・設計を行なっています。
私はプロジェクトマネージャーとデザイナーを担当しているのですが、もともとは外資系のオフィス設計会社で「働く場所」を作る仕事をしていました。そこで多くのオフィス設計を担当させていただくうちに、徐々にこの業界には課題があると考えるようになりました。どうしてもオフィス設計の際にデザインを重視する傾向があり、「働き方」が見過ごされがちとだと感じたのです。本来は、働き方に合った場所を作るべきだと思いますが、順番が逆になってしまっている。
ただ、それを実現している設計会社は見当たらない。そのときに、コラボスタイルの代表である松本と相談して「僕たちがタッグを組んでないのがおかしいよね」「ワークプレイス(働く場所)とワークスタイル(働き方)は本来一緒に考えるものだよね」という話になり、一緒に新規事業を立ち上げるためにコラボスタイルに入社したのです。
企業にはそれぞれ独自のカルチャーがあり、目指すゴールもそれぞれ異なるので、企業によって適した「働き方」や「働く場所」は同一ではないはずです。ですから、ワークスタイル事業部では、各企業に合ったワークスタイルを考慮したオフィス作りと、適切な土地や建物の選定など、場所の提案も同時に行っています。
ワークスタイルに焦点を当てているので、基本的にはその企業が今何をすべきか、何が不要なのかを整理して提案を行います。同時に、外部のバックオフィスや組織開発に強い専門家とパートナーシップを組み、企業の目的を達成するために必要な社内制度の提案も行っています。
オフィスのデザインだけではなく社内制度や会社の風土を考慮する
今後、ワークプレイスの市場では、移転や改装を目指すお客さまからの依頼が増えると思います。そこで大事なのは、デザインだけをゴールにしてはいけないという認識を持つことです。
私たちがオフィス設計をする際、最初は本来のゴールに向かっていたのに、いつの間にか「どうすればかっこよくなるだろう」という方向に変わってしまうことがよくあります。デザインに優れた人はたくさんいますが、重要なのは、社員が愛着を持てるオフィスを作ること、どうやって「自分たちのオフィス」にできるか、だと思います。
お洒落なオフィスを作れば、例えば一時的に採用応募者数は増えるかもしれませんが、中身が伴わないと持続可能にはなりません。ですから、オフィスのデザインだけではなく社内制度や会社の風土を考慮することが重要です。実際にさまざまな企業の方とお話ししていても「オフィス作りやツールの導入だけでなく、制度改定も同時に進めなければ変化が起こらない」と、みなさん口にされます。
ワークスタイル事業部でローンチした大阪の第1号プロジェクトでは、一般的ではない方法で進めました。まず、私たちが場所を決めて賃料交渉を先に済ませ、それからオフィス作りのプレゼンを行ったのです。その企業は沖縄に縁があったため、首里城をモチーフにしたり、沖縄の雰囲気を意識しました。
プレゼンの際、役員3名のうち2名は移転を考えていませんでしたが、どのように進めるべきか、移転はいつがベストなタイミングなのかを提案すると、すぐに賛成してくれました。オフィスの構造はコラボスタイルの名古屋本社に似ており、コミュニティエリアとオフィスエリアを作り、交流やイノベーションが生まれる場所づくりを実現しました。
オフィスづくりについては、企業が成長し続けるために、時代に合わせた変革を成功に導くマネジメントの視点が重要だと考えています。
■ 企業情報
社名:株式会社コラボスタイル
設立:2013年
本社:愛知県名古屋市
代表取締役CEO:松本洋介



